上場株式等の配当所得・譲渡所得等の個人住民税の課税方式の選択2021年4月26日

概要

 平成29年度税制改正により、上場株式等の配当所得や上場株式等の譲渡所得(源泉徴収ありの特定口座内のもの)等について、平成29年4月1日から所得税と個人住民税(町民税・県民税)で異なる課税方式を選択することが可能であることが明確化されました。

 上場株式等の配当、上場株式等の譲渡所得等(源泉徴収ありの特定口座内のもの)は、所得税15.315パーセント(復興特別所得税分含む)と個人住民税5パーセント(配当割)の合計20.315パーセントの税率で源泉徴収(特別徴収)されています。確定申告された場合は、申告書第二表「住民税に関する事項」欄に5パーセント分の上場株式等の配当割額や上場株式等譲渡所得割額を記入することで、個人住民税の所得割から税額控除されます。
 ただし、申告不要制度の対象となっている所得を申告すると扶養控除の適用や国民健康保険税をはじめ各種保険料などに影響を及ぼす場合があります。

 上場株式等の配当所得は総合課税、申告分離課税、申告不要制度の3つの課税方式から、上場株式等の譲渡所得等は申告分離課税、申告不要制度の2つの課税方式から、所得税と個人住民税それぞれで異なる課税方式を選択できます。例えば、所得税では「申告分離課税」を選択し、個人住民税では「申告不要制度」を選択することも可能です。
 所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択する場合、個人住民税(町民税・県民税)の納税通知書の送達の時までに後述の手続きが必要です。

 なお、いずれの課税方式を選択すると良いのか一概には言えませんので、各課税方式の特徴を十分理解し、あくまでも申告者の自己責任の下で選択してください。

注 意

1.次の配当所得と譲渡所得等は申告不要制度を選択することができません。

  ・所得税のみ20.42パーセントを源泉徴収されている配当所得

  ・一般株式等(上場株式等以外の株式等)に係る譲渡所得等

  ・所得税と個人住民税の源泉徴収がない口座(簡易申告口座、一般口座など)において生じた譲渡所得等

2.個人住民税の納税通知書の送達の時までに申告不要制度を選択する旨を記載した個人住民税申告書と必要書類の提出がない場合は、所得税と同様の課税方式が適用されます。

3.個人住民税の納税通知書の送達後に確定申告書を提出した場合は、配当割額・株式等譲渡所得割額は控除されません。

4.総合課税と申告分離課税を選択した場合、その所得は配偶者控除や扶養控除などの判定に用いられる合計所得金額や総所得金額等に算入されます。これにより扶養などの控除が受けられないことや、非課税判定、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、介護保険料(自己負担割合を含む)などに影響が出る場合がありますので、所得税の確定申告には注意が必要です。国民健康保険税、後期高齢者医療保険料や介護保険料への影響など、それぞれの担当窓口でご相談ください。

5.申告不要制度を選択した場合、その所得は扶養などの認定、非課税判定、国民健康保険税などの算定対象となる合計所得金額や総所得金額等に算入されません

6.一度選択した課税方式を変更することはできません。

課税方式

 上場株式等の配当所得・譲渡所得等に係る個人住民税(町民税・県民税)の各課税方式の特徴は次のとおりです。

1.上場株式等の配当所得
  【総合課税を選択する場合】

  ・個人住民税の税率が10パーセントになりますが、配当控除を適用することができます。

  ・配当割額が控除されます。

  ・配当所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。

  【申告分離課税を選択する場合】

  ・個人住民税の税率は5パーセントで、源泉徴収(特別徴収)と変わりません。

  ・上場株式等に係る譲渡損失との損益通算や繰越控除ができます。(注1)

  ・配当割額が控除されます。

  ・配当所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。

   【申告不要制度を選択する場合】

  ・個人住民税は5パーセントの税率で源泉徴収(特別徴収)により課税が終了します。

  ・配当割額は控除されません。

  ・配当所得金額は合計所得金額、総所得金額等に算入されません。

2.上場株式等の譲渡所得等(源泉徴収ありの特定口座内のもの)
 【申告分離課税を選択する場合】

  ・個人住民税の税率は5パーセントで源泉徴収(特別徴収)と変わりません。

  ・上場株式等に係る譲渡損失との損益通算と繰越控除ができます。(注1)

  ・株式等譲渡所得割額は控除されます。

  ・上場株式等の譲渡所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。

 【申告不要制度を選択する場合】

  ・個人住民税は5パーセントの税率で源泉徴収(特別徴収)により課税が終了します。

  ・株式等譲渡所得割額は控除されません。

  ・上場株式等の譲渡所得金額は合計所得金額、総所得金額等に算入されません。

(注1)
・源泉徴収ありの特定口座内で取引された上場株式等に係る譲渡損失に対し、申告分離課税を選択した場合、その同一源泉徴収ありの特定口座内の取引すべて(配当所得等も含む)申告する必要があります。
 なお、同一源泉徴収ありの特定口座内で取引された上場株式等に係る譲渡損失、上場株式等に係る配当所得、上場株式等に係る譲渡所得等は、その源泉徴収口座内で損益通算されています。
・上場株式等に係る譲渡損失と上場株式等に係る配当所得等との損益通算の特例の適用を受けており、当該所得について申告分離課税を選択した場合、合計所得金額、総所得金額へ算入される当該所得金額は、損益通算の特例の適用後の金額で、かつ、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用前の金額になります。

手続きの方法

 個人住民税(町民税・県民税)の納税通知書の送達の時まで(注2) に、確定申告書とは別に、申告不要制度を適用する旨記載した個人住民税申告書(注3) の提出が必要です。(注4)

個人住民税(町民税・県民税)の申告の際には、次のものが必要となります。

・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

・税務署に提出された「確定申告書の本人控」の写し

・配当所得のある方は「上場株式等に係る配当等に関する書類」※の写し

   ※上場株式配当等の支払通知書、特定口座年間取引報告書など

・譲渡所得のある方は「上場株式等の譲渡所得等に関する書類」※の写し

 ※特定口座年間取引報告書、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書など

 

(注2)
 「個人住民税の納税通知書」とは、「町民税・県民税納税通知書及び町民税・県民税特別徴収税額の決定通知書」を指し、それらの発送時期は、給与特別徴収対象者が例年5月上旬頃、普通徴収対象者と年金特別徴収対象者が例年6月上旬頃となります。「送達の時」とは、給与特別徴収対象者は例年5月中旬頃、普通徴収対象者と年金特別徴収対象者は例年6月中旬頃が送達時期の目安となります。

  (注3)
 提出していただく個人住民税(町民税・県民税)の申告書には「住所、氏名、生年月日、電話番号、職業、個人番号」の基本事項のほか、申告書上部余白欄に「上場株式等に係る配当所得等(及び譲渡所得等)について申告不要制度を選択する」旨を記載してください。所得や控除等の記入は原則として不要です。

(注4)
 令和2年分の上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に係る令和3年度分の個人住民税の申告不要制度を選択する場合は、個人住民税の申告書の提出が必要となりますが、令和3年分以後の上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に係る令和4年度分以後の個人住民税の申告不要制度を選択する場合、原則として確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項が追加される予定です。(令和3年分以後の確定申告書を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用されます)

 

お問い合わせ

税務課
電話:058-388-1112