公開日 2026年06月10日

 令和6年5月17日に、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、民法等の一部を改正する法律が成立しました。

 この法律では、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直されました。令和8年4月1日に施行されました。

 

1.親の責務に関するルールの明確化

父母は、親権や婚姻関係があるかどうかにかかわらず、こどもを養育する責務を負うことが明確に定められました。

 

【こどもの人格の尊重】

父母は、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責務があります。その際には、こどもの意見に耳を傾け、こどもの人格を尊重しなければなりません。

 

【こどもの扶養】

父母は、こどもを扶養する責務を負います。この扶養の程度は、こどもが親と同じくらいの生活を送ることができる水準でなければなりません。

 

【父母間の人格尊重・協議義務】

父母は、こどもの利益のために、お互いを尊重して、協力しなければなりません。父母の一方が父母相互の人格尊重・協力義務等に違反した場合には、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。他方の親権に対する侵害の程度によっては、損害賠償義務等が生ずることもあり得ます。

 

次のような行為は、このルールに違反する場合があります。

※暴力等や虐待から逃げるなど、正当な理由がある場合は、このルールに違反しません。

 ・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等

 ・父母の一方が、他方による日常的なこどもの監護に、不当に干渉すること

 ・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること

 ・父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと   など

 

【こどもの利益のための親権行使】

親権は、こどもの世話やお金の管理など、こどもの利益を守るために使われなければなりません。

2.親権に関するルールの見直し

これまでの民法では、離婚後は、父母のどちらかだけを親権者として決めなければなりませんでした。

これからは、離婚後に父母2人とも親権を持つ「共同親権」、1人だけが親権を持つ「単独親権」の選択ができるようになりました。

【父母が2人とも親権を持つ共同親権の場合】

父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。

1.親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。

2.次のような場合は、親権の単独行使ができます。

 ・監護教育に関する日常の行為をするとき

 ・こどもの利益のため急迫の事情があるとき

3.特定の事項について、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることができます。

※改正前は、1のみが規定されており、2と3については規定がありませんでした。

 

【監護についての定め】

父母の離婚後のこどもの監護に関するルールが明確化されています。

3.養育費の支払い確保に向けた見直し

・養育費の取決めに基づく民事執行手続が容易になり、取決めの実効性が向上します。

・養育費の取決めがない場合にも、暫定的な養育費(法定養育費)を請求することができる制度が設けられました。

・養育費に関する裁判手続の利便性が向上します。

4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

・家庭裁判所の手続中に親子交流を試行的に行うこと(試行的実施)に関する制度が設けられました。

・婚姻中の父母が別居している場面の親子交流ルールが明確化されています。

・父母以外の親族(祖父母等)とこどもとの交流に関するルールが設けられました。

 

法務省作成冊子

父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(PDF形式1.67MB)

こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A(PDF形式3.03MB)

民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)についての詳細は、法務省ホームページ(外部サイト)をご覧ください。

 

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