公開日 2021年03月11日
3月10日午後、岐阜県伝統文化継承者表彰(功績者)を受賞された長屋一男さん(北及)が笠松町役場を訪れ、古田町長に受賞の報告をされました。長屋さんは、50年の長きにわたり和傘の轆轤(ろくろ)づくりに従事され、現在は日本で唯一人の和傘轆轤(ろくろ)職人といわれており、岐阜県をはじめ全国へろくろを出荷し、日本の和傘づくりを支えておられます。報告には、長屋さんと長年交流があり、工具等の技術面において長屋さんを支援してこられた箕浦秀樹さん(下新町)も同席され、終始和やかな報告会となりました。
和傘は専門の職人によるいくつもの分業によって生産されてきた、言わば多くの職人による技術の結晶といえます。長屋さんがつくってみえる「ろくろ」というのは、和傘の骨を束ねるのに必ず必要となる部品です。写真からも分かるように短冊状になっており、その細かい短冊1枚1枚に糸を通すための小さな孔が規則的に空けられています。特殊な技術であるため、ろくろをつくるための工具も自分で作らなければならないそうで、まさに職人技が凝縮された部品といえます。長屋さんは、ろくろづくりだけではなく、ろくろの材料となる「エゴノキ」の保護活動にも尽力し、エゴノキの供給が持続可能となるような活動も続けておられます。また、現在は後継者育成の指導にも力を入れておられ、日本の和傘づくりを支える技の保存と振興、後継者の育成に顕著な功績があると認められ、今回の受賞となりました。古田町長は、「長屋さんのようなすばらしい技をもつ職人の方が笠松町にいらっしゃることで、地域住民をはじめ多くの方が和傘に興味をもち、貴重な技が未来へ継承されていくようにしていきたい。」と述べました。長屋さんは、「和傘は私一人ではなく、多くの職人によってつくられるもの。したがって、私が表彰して頂いたことに大変恐縮している。これからもがんばってまいります。」と話されました。