公開日 2026年06月25日

日本の人口減少が止まりません。2025年国勢調査の速報値によると、2025年10月1日時点の日本の総人口は1億2,304万9,524人で、2020年の前回調査から約309万7千人(2.5%)減少しました。
岐阜県の人口も189万1,489人となり、前回調査から8万7,253人(4.41%)減少。「200万県民」と呼ばれた時代もありましたが、ついに190万人を割り込みました。
では、笠松町はどうだったのでしょうか。人口は2万1,833人で、前回調査から375人(1.69%)の減少でした。全国や県と比べれば減少率は低かったものの、人口減少の流れから逃れることはできませんでした。
もっとも、日本全体の人口減少は、もはや短期間で反転できる段階を過ぎています。出産適齢期人口や出生率の推移を見れば、少なくとも私が生きている間に人口増加局面へ戻ることは極めて難しいでしょう。
それにもかかわらず、この国では今なお地域の勢いを測る尺度として「人口」が重視されています。もちろん人口は重要な指標です。しかし現実には、ほとんどの自治体が縮み続ける人口という限られたパイを奪い合う構図に陥っています。
特に地方では、子育て支援をはじめとする行政サービスの充実を競い合う状況が続いています。こうした施策そのものは必要です。しかし、財政力の弱い自治体にとっては終わりの見えない消耗戦となり、結果として地域の活力を削ぐ可能性もあります。
私たちはそろそろ、「人口」という呪縛から少し距離を置き、別の視点でまちづくりや地域活性化を考える時期に来ているのではないでしょうか。
例えば、地域を訪れる人や地域のファンを増やす「関係人口」の拡大。伝統や文化など、その地域ならではの資源を磨き上げて付加価値を高めるブランディング。あるいは起業家や挑戦者が集まる環境を整える産業政策などです。
一方、役場では自治体DXを積極的に進め、窓口サービスの利便性向上と業務効率化の両立を目指しています。特にAIの活用には力を入れており、実はこの文章もAIに推敲してもらいました。人口減少時代に対応する新しい行政の姿を模索しているところです。
不確実性が高まる時代に、笠松町のような自治体が生き残り、さらには存在感を示し続けるためには、これまでの「あれもこれも」の総花的な政策から、「あれかこれか」を選び取る戦略への転換が求められます。
リスクを恐れて守りに入れば、「持続可能」という言葉は、やがて「緩やかな衰退」の言い換えになってしまうかもしれません。
人口減少は避けられなくても、地域の未来まで決まったわけではありません。視点を変え、地域の強みを磨き続けることで、小さな町だからこそ描ける発展の道は必ず見つけられるはずです。
笠松町長 古田 聖人