公開日 2025年05月14日

                                                                     

 

 皆さんは、“ウマ娘”をご存知でしょうか?

 実在する競走馬の名前やイメージをモチーフにしたキャラクターが登場するゲームアプリや漫画を中心としたメディアミックスコンテンツで、若者を中心に絶大な人気を誇っています。そのウマ娘の中でもひときわ目立っているのが「オグリキャップ」です。そう、笠松競馬が生んだレジェンドホースをモデルにしたキャラクターです。


 そのオグリキャップを主人公にしたアニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』が今春から全国ネットで放映されています。町でも舞台探訪マップを作製したり、役場などの公共施設に横断幕やのぼりを設置するなど様々なコラボレーション企画で盛り上げています。

 

 コラボレーション企画の一環として、町内の飲食店や小売店などで来店客にトレーディングカードを配布したところ、「お客様が増えた」という声が挙がっています。休日には、マップを片手に舞台となったスポットを巡る人たちの姿も見られるようになり、ウマ娘は町の活性化に貢献しているようです。

 

 まさに笠松町にとっては、知名度を全国に広げ、存在感を示すチャンスですが、このブームをいかに町の持続的発展に繋げるかが今後の課題になってくるでしょう。そのためには、ウマ娘のような新しい地域資源だけでなく、町の伝統文化や歴史にも目を向け、新旧のバランスが取れたまちづくりを進めるべきだと思います。

 

 コロナ渦以降、町内会加入率の減少や地域活動に距離を置く人たちが増えるなど、地域の絆の希薄化が顕著になってきました。しかし、南海トラフ地震などの大規模災害に備え、少子高齢化社会の進行に対応するには、「共助」すなわち隣近所の助け合いと協働が不可欠です。

 

 そこで、もう一度地域の絆を結び直すために、岐阜県重要無形民俗文化財にも登録されている「大名行列お奴」や「円城寺芭蕉踊り」など伝統文化の継承、祭事や地域行事の活性化、学校での「ふるさと教育」に力を入れることで、あらためて笠松の魅力、強みを掘り起こしたいと考えています。

 

 新しいものと古いものの融合、温故知新、不易流行、言葉は違っても町の底力を引き出すことで、笠松町を岐阜県の中心、“すごい町”へと再興できると信じています。目指すは『笠松ルネッサンス』、ウマ娘で盛り上がっている今こそ、新たな挑戦を始める時です。ぜひ皆さんの力を貸してください。

 

 

 

                                       笠松町長 古田 聖人